会長メッセージ

トキの水辺づくり協議会 会長 板垣 徹 から皆様へのメッセージです。

トキが棲む豊かな自然を未来へとつなぐために
私たちはより多くの協働をめざします

今、トキたちは私たちのフィールド・天王川流域を中心に多数が営巣し、ヒナを育んでいます。あちこちの田んぼやビオトープでは、トキが餌をとっています。人々のすぐそばで暮らすトキたち。いま、トキと人びとは共生しているのです。

このような光景は、トキ放鳥以前には、夢物語にすぎないと思っていたものでした。その「夢」が、今や目の前の現実として展開されているのです。
しかし、この光景を未来へつないでいくことができるのでしょうか。過疎化・高齢化していく島の社会は、トキが棲む、生きもの豊かな田んぼと自然を守っていけるのでしょうか。トキ放鳥から10年がたち、各組織もメンバーの高齢化や活動の停滞に直面しています。それらを、どう打開していったらよいのでしょうか。

この課題にこたえるために私たちは、天王川流域でトキの野生定着にかかわっている組織が結集し、この協議会を立ち上げました。私たちは、力を合わせて地域の生物多様性を維持し、トキのエサ場を整備・管理していくために、活動してまいります。
また、トキの野生復帰を応援して下さる全国の皆さんと連携し、ボランティアを受け入れ、一緒に汗を流してまいります。

自分たちでできることは限られています。しかし多くの皆さんとの協働が発展して行けば、この地域を活力に満ちた地域としていくことも可能と思います。そしてそれは、過疎・高齢化に悩む全国の中山間地域での、生きものとの共生を軸とした地域づくりの先行事例となる可能性を示しています。そのようなモデルとなることをめざし、ともに活動してまいりましょう。

トキの水辺づくり協議会 会長 板垣 徹